本来混ざり合わない油と水を混ぜ合わせ、汚れを落とす働きのあるものを界面活性剤といいます。 界面活性剤には、大豆サポニンや卵黄に含まれるレシチンなどの天然由来の原料に苛性ソーダ(水酸化Na)や苛性カリ(水酸化K)を入れて作ったものと、石油を原料に化学合成したものを合成界面活性剤があります。天然由来のものを石鹸、化学合成して作られたものが合成洗浄剤といいます。
植物油脂や動物油脂の脂肪酸に水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を反応させて『脂肪酸ナトリウム(脂肪酸Na)』を生成するのがナトリウム石鹸(固形石鹸)。 植物油脂や動物油脂の脂肪酸に水酸化カリウム(苛性カリ)を入れて『脂肪酸カリウム(脂肪酸K)』を生成させたのがカリウム石鹸(ジェル状または液体)です。 脂肪酸Kは、水溶性の高いジェル状で、水を加えて液体にすることができます。 生成された脂肪酸Naや脂肪酸Kのことを『石鹸素地』といい、固形であっても液体であっても『石鹸』と呼びます。パパイヤソープ 青パパイヤの恵みは、固形ですので、ナトリウム石鹸にあたります。
「水酸化ナトリウム」や「脂肪酸カリウム」と聞くと「化学物質のこと?」「自然じゃないの?」と思われるかたもいらっいますが、これらは安全性が確認されている数少ない物質の1つで、いわゆる人体に有害な化学物質とは区別して扱われています。 それに、石鹸自体が化学反応なくしては出来ません。これは、納豆やヨーグルト、パン、ワイン、お酒などが、全て、酵母による化学変化の結果として生じるのと等しいと言えます。 石油を原料に化学合成した合成界面活性剤は人体に影響があるので注意が必要ですよね。
1)脂肪酸に水酸化ナトリウムや脂肪酸カリウムを混ぜて化学変化を起こすと、その副産物として、脂肪酸から遊離した「グリセリン」が出来ます。 無添加石鹸が溶けやすいと言われる要因ですが、潤いを与えることが出来るメリットでもあります。 石鹸は水中で脂肪酸イオンを生じます。この脂肪酸イオンもすぐに水に不溶の脂肪酸に変化し肌の角質表面に吸着します。そして、すすぎでは洗い流されず肌表面に留まって保湿効果を発揮します。
2)肌に吸着する遊離脂肪酸(グリセリン)が多いので保湿力が強いことになります。石鹸が合成洗剤に較べ、肌のデリケートな赤ちゃん・アトピー・超乾燥肌・超敏感肌に最適と考えられるのは、皮膚への刺激がは自然と備わっているからです。
1) 石鹸に比べて洗浄力や皮膚刺激がやや高い。 2) 脱脂力が高く、皮膚バリアを形成する皮脂を取り除くため肌のかさつきをもたらします。 3) 皮膚バリアを壊しつつ、皮下浸透しタンパク質にダメージを及ぼします。 4) 肌や髪に吸着し、水分を外に放出するため、 乾燥肌の原因になる。 5) 自然界のバクテリアによる成分分解に長い時間を要したり、分解が出来ないものがあるため、環境悪化の原因となります。 6) このように石油系の合成界面活性剤は汚れを強力に落としますが、皮膚バリアを破壊するためかさつきがおきます。 それを、補うために保湿剤を配合しますが、その保湿剤のほとんどが化学合成添加物であるケースが多いのが事実です。天然保湿剤配合とあっても、そもそもが合成界面活性剤であるかないかは重要なポイントです。
石鹸製法は、無添加石鹸に見られる『けん化法』と、機械を使って、 短時間で大量生産できる『中和法』との2種類があります。 また、釜炊きする一般的な『ホットプロセス』、加熱せずに作る 『コールドプロセス製法』 という区分けもあります。
けん化(鹸化法)は、オリーブ等の植物油と水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を反応させて石鹸素地を作ります。また、水溶性の高いカリウム石鹸(カリ石鹸)は、油脂に水酸化カリウム(苛性カリ)を入れて石鹸素地を作ります。※苛性ソーダや苛性カリは石鹸製造に必須なもので、けん化法の場合、自然乾燥の過程で残留はほぼ皆無になります。副産物として脂肪酸から遊離した「グリセリン」も出来ます。
けん化法に対し、中和法は、油脂を「脂肪酸とグリセリン」に分離し、脂肪酸だけをナトリウムを化合させて短時間で製造します。この方法では約3~4時間で石鹸が完成するので大量生産ができます。グリセリンを含まないため洗浄力が強い反面、お肌に対する保護力に欠けます。 そのため、グリセリンをはじめ、様々な化学添加物を添加(防腐剤・金属封鎖剤・酸化防止剤・発泡剤・色素・香料など)して石鹸の完成品を作ります。
前述のけん化(鹸化法)か中和法という区別のほかに、石鹸生地を鹸化するときに加熱するかしないかの方法によっても製法を区別することが出来ます。
石鹸の原料を混ぜ合わせた時に自然に発生する低温の熱を利用して鹸化を進め、 その後は熱を冷ましながら1ヶ月以上掛けて石鹸を作っていきます。 これにより熱に弱い成分にも影響が出ず、保湿剤であるグリセリンや油脂の中に含まれている有効成分を残すことができます。 また、適度に油脂が残っているため、使い心地は市販の石鹸とは随分違ったものになります。完成までに時間は掛かりますが、紀元前2800年頃から伝わる最もシンプルな製法です。
混ぜ合わせた石鹸生地を加熱して鹸化を進めます。
100℃以上の高温で数時間に渡って加工するので熱に弱い成分に影響が出てしまいます。
パパイン酵素やその他のシステイン酵素を守るために火を使わない製法が「青パパイヤの恵」には必要です
1.水酸化ナトリウムと精製水の容量をきっちり量りかき混ぜます。 水酸化ナトリウムは水と合わさると熱を発生しますので、約40℃になるまで冷まします。
2.1とは別の容器に、使用するオイルをきっちり量りこちらも約40℃になるよう温度調整します。
3.約40℃まで温度が揃ったところで、1と2混ぜ合わせ約30分を目安に撹拌を続けます。その後トレース(とろみ)が出てくるまで数時間待ちます。
4.トレースが出たら、植物バター・精油を加え撹拌します。その後型に入れ、保温室で24時間寝かせます。
5.表面が固まれば型から外し、風通しのよいところで一週間程乾燥させます。
6.その後1個分の大きさにカットしていきます。
7.カット後パレットに間隔をあけて並べ、約60日かけて熟成・乾燥させていきます。
出来上がった石鹸を鋳型等に流し込んで、時間をかけて冷やし固めます。これを枠練(わくねり)と呼び、出来上がったものを一個一個切ります。
機械練り(きかいねり)は、硬く・形良く・短時間で・大量生産することが可能です。簡単に早く作れるので枠練りの無添加石鹸に比べると安く買えることができます。
機械練り石鹸とはその名前の通り、全工程を機械で作る石鹸のことです。
材料を機械で一気に練り上げ、そのまま機械で押し出し成型するので、大量生産ができローコスト。 安価で泡立ちがよく、洗浄力も高いので、手洗い用や浴用の石鹸、一般的な洗顔石鹸は機械練り石鹸が主流です。
製造方法 | メリット | デメリット |
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枠練り法 |
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機械練り法 |
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